「建築基準法」「消防法」において特定の施設に対して設置が義務付けられ、地震や火災などの災害により
停電した際に使用される非常用エレベーターやスプリンクラーポンプへ電力を供給する設備です。
非常用発電設備(自家用発電設備)は、車のエンジン&発電機の機構とほぼ同等なメカニズムです。
非常用発電設備(自家用発電設備)の疑似負荷運転とは、非常用発電設備のエンジンおよび発電装置の両者が、
継続して確実に稼働するかを確認する為に実施する点検作業です。
非常用発電設備は、エンジン部分とエンジンによる回転運動から電気を生み出す発電装置部分に分けられます。
非常用発電設備は、地震等の災害で停電した際に、避難用設備や消火用設備に電力を供給するための設備です。
非常時に人命を守るための設備であり、各種設備の中でも非常に重要な設備となります。
しかし、通常は使用しない設備であることから、その点検整備は見落としがちです。
2018年6月の大阪府北部地震では、点検整備の不備により、相当数の非常用発電設備が稼働しなかったことが
報告されています。
災害時に、非常用発電機が稼働しなければ意味がありません。
非常用発電設備の疑似負荷運転は、いざというときに正常に稼働するかどうかを確認する大切な作業です。
消防法の中の非常電源の点検基準、点検要領にて定められる非常用発電設備(自家用発電設備)の点検には、
6カ月毎に実施する機器点検と、1年毎に実施する総合点検があります。
この中で非常用発電設備の疑似負荷運転は総合点検にて毎年実施することが義務付けられています。
これは法令により設置された非常用発電設備に対して例外なく適用されます。
※負荷運転が必要な時間は、非常用発電設備に接続されている主たる消防用機器(消火栓設備等)の種類により
異なりますが、概ね30分~1時間程度になります。
平成30年6月1日に消防法が改正され、点検基準が交付されました。
負荷運転に代わる点検方法である内部観察等の追加、6年に1回の点検実施周期の変更(予防的保全策が
講じられている場合)、ガスタービン式非常用発電設備の負荷運転の免除などの3点が大きく改正されました。
⇒ http://www.fdma.go.jp/concern/law/tuchi3006/pdf/300601_yo372.pdf